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日本建築家協会 登録建築家事務所/医院開業支援・医療福祉建築設計チームのブログ

医院開業 間違いのない「建築」と「開業」をするために・・・(11)

● テナント選びは慎重に!(2)

貸しビル全てが、クリニックの入居に適しているわけではありません。
決定される前に、医療に精通した建築のプロにチェックをしてもらいましょう。

クリニック以外のテナントとして入居するなら問題とならない
テナントビルでも、いざクリニックとして入居する場合、
建築や設備面で問題を含んだ建物が多く存在します。
新築のビルだからといっても、決して安心はできないのです。

そのような一例をご紹介します。
テナント開業をお考えの先生のご参考になれば幸いです。

診療圏調査ではとても良好、不動産屋さんも推薦される建物と
聞いて勇んで出かけました。
奥には建物の所有者の住まいがあり、木造で簡素なつくりの
テナントがつながれていました。
前のテナントが撤退した後で、正面の外装はそこそこ合格点。
詳細な調査を始めてみると、構造はひ弱な木造で脆弱、
外装に張られていたのは錆びてボロボロになったトタン板でした。

更に屋上をみると、やっと雨露をしのげる程度の錆びたトタン屋根。
唖然としました。
その建物は正面だけ化粧をして体裁を保っていたのです。

賃料の安さと診療圏調査のよさですっかりその気になっていたドクターですが、
建築のプロが見ると評価するに値しない造りでした。
基礎構造や上部の構造体は全くお粗末。
この状態で補強して使うこともままならない状態でした。

この場所で行うとなると、壊して建て替える以外にありません。
しかし、そこには建築基準法が立ちはだかりました。

建物の劣悪さに肩を落としその場を離れ、ドクターに診た結果を報告しました。
ドクターが期待していただけに、その報告をするのがとてもツラク
いやな思いで、深呼吸をして、
「建築家から見た今日の結果を正直に報告します」
やっとの思いで口を開きました。

「診療圏調査の結果が良いだけに誠に残念ですが、
あの建物には1円たりとも入れてはなりません。
ましてや、あの中に高価な医療機器を入れるなんて考えられません。
建て直して使うなら別ですが、
あの状態で内装だけを綺麗にしても、無駄になります」

ドクターは、建て替えまでしてこの場所で開業ることは考えておらず、
結局、そのテナントはあきらめることになりました。

そして数ケ月後、条件の良いテナントが見つかり、
私も下見をした結果、良好と判断し、綿密な設計をし開業しました。

今では、そのクリニックは流行りに流行り、
界隈では有名なクリニックになっています。
今では懐かしい思い出になりましたが、
先生と顔を合わせる度に、あの時のことがよみがえってくるのです。

では続きは次回に!


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